グローバリゼーションはラクダとともに

『グローバリゼーション 人類5万年のドラマ』を読みました。アフリカで出現した現生人類ーホモ・サピエンスーのごく一握りの人びとがアフリカの地を後にして、徐々に世界中に広がり、そして「再結合」していく(原書のタイトルは『Bound together』)様を描…

日食系男子必読の一冊『星空の不思議136のQ&A』

「草食系男子」というフレーズに胸やけ気味*1の昨今、「ポスト草食系男子はなにか?」という問いが世界中を賑わしています*2。みなさんご存知のように、草食系からの揺り戻しで「肉食系男子が来る」というのが大方の予想なわけですが、この予想は裏切られる…

『デザインの輪郭』を読んで元気になるライフハック

工業デザイナーの深澤直人さんが書かれた『デザインの輪郭』という本が大好きです。デザインについて語られた本ですが、表紙に「デザインはすべての生き方に通ずる」とあるように、わたしのようにデザインを専門にしていない人間でもドキドキしながら読めま…

『空手坊や』は二度ベルを鳴らす

突然ですが、映画『ベストキッド』の原題が「Karate Kid』だということはご存知だったでしょうか。日本でこれを直訳して『空手坊や』としたとすると興行的にはコケそうな気がするので、『ベストキッド』というのは上手な「意訳」だと思います(わたしは『空…

あとがき文学賞

古山高麗雄さんの『二十三の戦争短編集』を読み直した。 二十三の戦争短編集 (文春文庫)posted with AZlink at 2010.12.24古山 高麗雄文藝春秋売り上げランキング: 321995Amazon.co.jp で詳細を見る この本を買ったのは数年前のことでしたが、購入の決め手に…

宗教・ラブホ・法人税

『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』という新書を読みました。 法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)posted with AZlink at 2010.12.20奥村佳史光文社売り上げランキング: 94502Amazon.co.jp で詳細を見る いきなりで恐…

人生を変える一冊 『たのもしき日本語』

人は誰しも「人生を変えた一冊」というのを持っているものだ。石原良純さんにとってのタウンページのようなものだ。私にとっての「人生を変えた一冊」は、間違いなく『たのもしき日本語』だ、と言っても過言ではない。ただ、そうは言ってもそれはちょっと言…

『ナチス狩り』(ハワード・ブラム)

本書の「読者への覚書」には次のように記されている これは実話である。 ユダヤ旅団−第二次世界大戦の最後の数ヶ月間にヨーロッパで戦うべく、イギリスによってパレスチナから派遣された五千人の軍隊−の活動を記している。 この軍隊に志願して任務を果たした…

私と公の狭間で悶える本 『ポスト消費社会のゆくえ』

前回に続き、『ポスト消費社会のゆくえ』について印象に残った点をメモしておきます。 まずは、「流通小売業」という業界についての辻井さんの認識について。1990年代以降の「セゾンの失敗」について議論の中で、グローバリゼーションによって市場が激化…

自分で自分につっこみ自分で謝る辻井喬を味わう本 『ポスト消費社会のゆくえ』

セゾングループを率いた辻井喬(=堤清二)さんと上野千鶴子さんの対談をまとめた『ポスト消費社会のゆくえ』(文春文庫)が面白かった。ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)posted with AZlink at 2010.12.9辻井 喬,上野 千鶴子文藝春秋売り上げランキング: …