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君はまだ毛根の横幅が6cmある図鑑を見ていないのか?

前回に引き続き図鑑の紹介となります。その名も「世界で一番美しい人体図鑑」であります。



気の弱い私なら「ほんまに世界で美しいんやろなコラ、これでもっと綺麗な人体図鑑あったら尻の穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたろか」とか「世界で一番美しくなきゃダメなんですか、二番じゃダメなんですか?」などとクレームが入るかもなどと思ってしまって、「世界で一番美しそうな」とか「世界で一番美しいと思われる」とか「世界で一番美しい(笑)」とかにしてしまいそうなものだが、ずばり「世界で一番美しい」と言い切っているあたりがまことに清々しい。もし一番でないことが分かったらその場で腹を切りますという出版社の覚悟が伝わってくる。ハラキリの後はスキヤキ食べてゲイシャ遊びしてフジヤマに登ってくらさあいというサービス精神に満ち溢れている。とにかく、この島国日本からこの美しい人体図鑑を引っさげて世界に羽ばたこうという意欲が伝わってくるではないか。


と思ったのだが、この図鑑も翻訳版だった。しかも原題は「See inside human body」と売る気があるのかないのかよく分からないような腸素っ気ないものだ。日本語だと「人体内部見ろコラ!」という感じだろうか。ほとんどドリフの「風呂入れよ!」と変わらないレベルであり、日本の大手出版社なら係長の段階でダメだしを喰らうだろう。


しかし、実際に中身を眺めてみると、この原題の素っ気なさは出版社の自信の表れだということが分かってくる。とにかく素晴らしい。まずサイズがデカい。大きさが iPad 2個分くらいある。つまり広げると iPad 4個分になる。東京ドームだと何個分になるのかまでは流石に分からないがやはり図鑑はでかいに限る。例えば、この図鑑の中に「毛」という項目があって日本語版の20ページと21ページの2ページに渡って「毛」が描かれているのだが、これも当然でかい。イラストを定規で実際に測ってみると、なんと毛根の横幅が6センチもある。イマイチ伝わらないかもしれないがど迫力である。


我が家の子供達が梅ちゃん先生ブームの襲来に見舞われていて、その機会に人体図鑑を見せておくのもいいかなと思って購入したのがこの図鑑なのですが、子供達は想像以上にハマっていました。「生殖」という項目では、子宮内での赤ちゃんの様子がリアルに描かれているのですが、子供たちはまさに度肝を抜かれた様子でした。腎臓でオシッコができる仕組みや、食べ物がお腹の中でウンコになるプロセスも簡潔に要領よく解説してありますので、子供に説明するのにも便利です。


また各項目に「耳寄り話」という豆知識紹介的なコーナーがあって楽しめます。例えば「脚」という項目があってそこでの「耳寄り話」では

年齢に関係なく、大腿骨の長さは身長の約4分の1である。


という初デートで会話に困った際に切り札となる豆知識がさり気なく紹介されています。というわけで、この図鑑も子どもに限らず大人もハマること間違いなしの図鑑だと思います。日本語版の出版をしたエクスナレッジ社が「世界で一番美しい」と銘打ったのも納得の仕上がりです。






余談ですが、エクスナレッジ社は「世界で一番○○な××」というのがお得意のようで面白そうなのがたくさんありました。


また「世界で一番美しい」シリーズは創元社からも出ていて、ひょっとすると出版社間で仁義なき闘いが繰り広げられているのかもしれません。



しかも日経BP社からは「世界でもっとも美しい」シリーズが出ていて、シンデレラか!と突っ込まれそうな勢いですが読者としては面白い本が出てくるならそれでいいです。ハイ。