さおだけ屋、アメリカ初代内閣総理大臣になる


少し前になるが『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』という本が売れに売れたとき、わたしが経営するさおだけ屋は潰れた。うちのさおだけ屋だけはなぜ潰れるのか? それ以来、そのことだけをひたすら考えて続けている。さおだけ屋は潰れないのだとすると、潰れたうちの店はさおだけ屋ではなかったことになる。じゃあ、うちはさおだけ屋ではなかったのではないか? 実はそれ以来、そのことも考えるようになった。済まない。それ以来さおだけ屋ではなかったという可能性を探ってみたが、うちでは確かにさおだけしか扱っていなかった。さおだけしか扱っていないのに実はコンビニでしたと言い張るのも仁義に反するのではないか。それ以来、そのことも考慮するべきだと思うようになった。申し訳ない。よしこうなったら仁義なき戦いだ。さおだけ屋であったのか、それともさおだけ屋ではなかったのか、そんなことはどうでもよくなってきた。問題なのは仁義だろ。いや仁義はないんだった。そうだった仁義なき戦いだった。金もないよ。店が潰れたんだから。結局金か? 世の中金なのか? それ以来、そのことも考えるようになった。ごめんね。しかも仁義なき戦いと言ったが、確かに仁義はないがよく考えたら戦いでもなかった。勝手に潰れたんだから。それ以来そのこともじっくり考慮するようになった。ちょっと待て。完全に考え過ぎだ。うちのさおだけ屋だけはなぜ潰れるのか? という問題だけ考えていたはずなのに。よしここらで原点回帰だ。なぜうちのさおだけ屋だけは潰れてしまったのか? そこだけに焦点を当てよう。いや無理だ。いろいろ考えているうちに脳が活性化されたからだろうか。どんどんどんどんいろいろな考えが湧くようになってきた。ポジティブ・フィードバックだ。ポジティブ・フィードバックというのはポジティブなのは字面だけで、要はどんどん突き進んでいくということなので実態に目を向けるとおそろしいな。『本当は怖いポジティブ・フィードバック』という新書のひとつやふたつあってもオカシクない気がしてきた。いや、ふたつあったらオカシイか。結局、生きてるってネガティブ・フィードバックなんだな。ネガティブ・フィードバック様々なんだな。何の話だっけ。さおだけの話だよ。さおだけのことをもっと知るべきだと思ってwikipediaに行ってみると、「さおだけ屋は、購入者が販売者を呼び止めるという形態から訪問販売として扱われず、クーリングオフが適用できない」と教えてくれた。なんだか身の毛もよだつような恐ろしい話になってきた。いやちょっと待て、最初はさおだけ屋の経営者という設定でこの話は始まったんだった。さおだけについて今から調べてどうする。第1話で死んだ主人公の恋人が第四話からしれーっとまた出演しているような展開だ。というわけでさおだけ屋がつぶれたので、家族にも見捨てられて、ショックで記憶喪失になったという設定にしよう。いやだから記憶喪失になったさおだけ屋がなんでさおだけについて調べようと思ったんだ。それはだな、この元さおだけ屋が記憶を失って路上を彷徨っているうちにぶっ倒れて病院に運ばれるのだが、そこにたまたま知り合いの看護婦さんがいて、あらあなたさおだけ屋さんのというようなことで、自分は記憶を失っているけれども元々はさおだけ屋をしていたことだけは分かるという状態なのですね。なるほど。そういうことか。それならそうともっと早くに言ってくれないと。ところでこの元さおだけ屋の名前を山本浩としようか。あだ名はヤンマー。名前が浩なのは関係なし。山本だからヤンマー。理不尽な話じゃないか。そんなときふとテレビに目をやると、首相が記者の質問を無視して「今日はいい天気だな」とつぶやいていた。「私はさおだけが好きだったのではなくて、たんにカネが好きだったのでしょうか?」と訊ねると「いい天気だな」という答えが首相から返ってきたように思えた。それ以来、議院内閣制のことだけをひたすら考えるようになった。そういえばヒラリー・クリントンはいつの間にか魔女みたいになってるけどまだ大統領になる気はあるのかな? さっそく議院内閣制から脱線しとるな。じゃあアメリカも議院内閣制にしろ。そしたら脱線じゃなくなるし。そういう問題か。議院内閣制のことだけをひたすら考えるようになったと言ったヤンマーの一貫性を保つためだけにアメリカの政治形態を変えてしまうのか。それでいいのかヤンマー。アメリカ人に謝れヤンマー。オバマに謝れ。アイムソーリーってメール出せ。そうだソーリーだ。おい総理か。じゃあ舞台をアメリカに移そう。島根大学を卒業した山本隆は、一旗あげることを夢見てアメリカに渡る。卒業したのは鳥取大学だったかもしれないがそのあたりはあやふや。山本隆のあだ名はヤンマー。名前が隆なのは関係なし。山本だからヤンマー。ヤンマーがアメリカでさおだけ屋を創業。アメリカで生まれたのが浩。ヒロシ・ヤマモト。名前が浩なのは関係なし。山本だからヤンマー。ヤンマーJr. (=ヒロシ・ヤマモト) は父親のさおだけ屋を引継ぐがまさかの倒産。ショックで記憶喪失になるが、知り合いの看護婦さんの支えなどによって立ち直り、アメリカを議院内閣制にすることを決意する。これが意外に受けてアメリカは議院内閣制になっちゃう。最初の総理大臣誰にするよって話になってお前が言い出しっぺだからお前がやれよって話になっちゃう。アメリカ人はフランクだから。ええ!俺が!まいったなとか言いながらアメリカ初代内閣総理大臣ヒロシ・ヤマモトが誕生。

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『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は多分そういう話だと思う。今度読んでみたいと思います。

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