読書

『羊と鋼の森』を読んだ。

『羊と鋼の森』を読んだ。 羊と鋼の森posted with amazlet at 17.04.17宮下 奈都 文藝春秋 売り上げランキング: 1,192Amazon.co.jpで詳細を見る ピアノの調律師の青年が主人公の小説であった。彼が調律師として、そして人として成長する姿が描かれている。20…

『青い鳥』(重松清)を読んだ

重松清さんの短編集『青い鳥』を読んだ。 青い鳥 (新潮文庫)posted with amazlet at 16.05.04重松 清 新潮社 売り上げランキング: 6,220Amazon.co.jpで詳細を見る この短編集の主人公「村内先生」は作中で生徒に次のように語りかける。 なあ、篠沢さん、うま…

『明治百年 もうひとつの1968』を読んだ

明治百年―もうひとつの1968posted with amazlet at 16.03.30小野 俊太郎 青草書房 売り上げランキング: 953,057Amazon.co.jpで詳細を見る 1968年。明治維新から100年目。フランスの五月革命に代表される若者の叛乱が各国で起きていた。日本でも大学闘争が拡…

アントニオ猪木の仕事術

テッタリアのメノンは哲人ソクラテスに問うた。 徳というものは教えることができるか? それとも教えることはできず、実践によって身につくものか? または、ただ素質によるものなのか? あるいはまた、何か他の仕方で備わるのか? では、あなたは何を問われ…

クリスマス絵本

坊主がせかせか駈けとる季節やけん、クリスマスの本ば紹介するけんね。今うちにあるやつで面白かったものだけ。プレゼントで困ったらこのあたりどうでしょう。でも重ならないように事前にチェックが必要かも。余計なお世話か。それでは早速。 イーノとダイジ…

A.P.C. ジャン・トゥイトゥはかく語りき

宝島社のe-MOOK『A.P.C. Authomne/Hiver 2011-12 アー・ペー・セー日本上陸20周年スペシャルISSUE』を買ってしまった。付録につられて。 A.P.C. AUTOMNE/HIVER 2011-12 (e-MOOK)宝島社売り上げランキング : 43562Amazonで詳しく見る by AZlink まず、A.P.C.…

お誕生日ばんざい

松田道雄さんの『定本育児の百科』は、1960年代に初版が出た古い育児書だ。我が家も第一子誕生の際に知人からこの本をいただき大変お世話になった。 定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕松田 道雄岩波書店売り上げランキング : 2379Amazonで詳しく見る…

『テロルの真犯人』を今ごろ読む

いきなりで申し訳ないが、わたしは自民党の加藤紘一さんが好きだ。いきなりで申し訳ないと言ってしまったが、いきなり言う以外に事前に伝える方法があったら是非教えてほしいものだ。 いきなり逆切れするのが最近のブログのトレンドらしい。よく知らないけど…

猪木の狂気とアリの狂気はなぜ輝かなかったのか?

『完本 1976年のアントニオ猪木』を読んだ。つい読んでしまった。出来心で読んでしまった。無意識に読んでしまった。もし読んでさえいなければ...あなたのもとへ飛んでいくのに...。馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではないのに...。 完本 1976年のアン…

ホールデン少年のセンチメートル・ジャーニー

文春新書の『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』を読んだ。翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)posted with AZlink at 2011.6.6村上 春樹,柴田 元幸文藝春秋売り上げランキング: 32606Amazon.co.jp で詳細を見る サリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ラ…

ナマハゲは鎌倉時代に海を渡りネイティブ・アメリカンと出会ったのか?

『ズニ族の謎』を読んだ。 ズニ族の謎 (ちくま学芸文庫)posted with AZlink at 2011.5.30N・Y・デイビス,吉田 禎吾,白川 琢磨筑摩書房売り上げランキング: 321099Amazon.co.jp で詳細を見る ズニ族というのはアメリカの先住民のひとつで、アメリカ南西部ニュ…

天才ガウスと超人フンボルトは空気を読みませんね

『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』を読んだ。世界の測量 ガウスとフンボルトの物語posted with AZlink at 2011.4.25ダニエル・ケールマン,瀬川 裕司三修社売り上げランキング: 168079Amazon.co.jp で詳細を見る 本書は2005年秋にドイツで発売され、大…

「気ちがいども、殺すのをやめて話を始めろ!」とあの人は言った

デイヴィッド・グロスマンの『死を生きながら イスラエル1993-2003』を読んだ。 死を生きながら イスラエル1993-2003posted with AZlink at 2011.4.20ディヴィッド・グロスマン,二木 麻里みすず書房売り上げランキング: 689923Amazon.co.jp で詳細を見る 著…

テーマをハグして、中身で喧嘩して、最後に喧嘩をハグする(イトイ式対話術?)

ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)で、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ社長の増田宗昭さんと糸井重里さんとの対談『カフェの視線』というのが掲載されていました。この対談は、「2011年の初夏、代官山に完成する予定の大きな商業施設の構想…

チラシの裏が語る1000年前の庶民の姿

前回の記事に引き続き、『庶民たちの平安京』の中から面白かった点を取り上げてみます。 庶民たちの平安京 (角川選書)posted with AZlink at 2011.3.29繁田 信一角川グループパブリッシング売り上げランキング: 395008Amazon.co.jp で詳細を見る この本の中…

いい大人が頭頂部をさらして歩くなんて恥をしれ!

繁田信一さん『庶民たちの平安京』を読みました。 庶民たちの平安京 (角川選書)posted with AZlink at 2011.3.29繁田 信一角川グループパブリッシング売り上げランキング: 395008Amazon.co.jp で詳細を見る 昨年が平城京遷都1300年でしたが、中学時代に「な…

八月十五日に戦争は終わったのか?

1945年8月14日深夜11時過ぎ、宮内省の一室。陸軍大元帥の軍装をまとった昭和天皇は終戦詔書を朗読し、それが録音された。声が震えたため、昭和天皇は取り直しを希望し、二回目の朗読がなされという。 日本電気音響(後のデノン)製のDP-17-K可搬型円盤録音…

もっと強く私を縛って! 『なぜ選ぶたびに後悔するのか』

『なぜ選ぶたびに後悔するのか —「選択の自由」の落とし穴』を読んだ。この本のタイトルはこの記事のタイトルのように『もっと強く私を縛って—選択の逆説』とでもすべきだったと真面目に思った。実は、ちょっと不真面目に思ったことは内緒だ*1。 なぜ選ぶた…

「箒の目」に美を見いだす少女

建築評論家の川添登さんの『環境へのまなざし』を読みました。 環境へのまなざしposted with AZlink at 2011.2.28川添 登ドメス出版売り上げランキング: 1110065Amazon.co.jp で詳細を見る この本、様々な話題が取り上げられたエッセイ集なのだが、その中に…

半世紀以上ウサギ界を支配するウサギ界のタラちゃん。その名はナインチェ。

すべては1955年にはじまった・・・。 この年、オランダはユトレヒトの一角で一匹の雌ウサギが誕生し、ウサギ界の勢力図を完全に塗り替えることとなった。その誕生から今に至る道のりで、日本柔道がアントン・ヘーシンクの袈裟固に泣かされ、永遠にそびえたつ…

『さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生』

先月で阪神大震災から16年たったというニュースを見た。ということは、同じ年の3月に起きたオウムの地下鉄サリン事件からも、もうすぐ16年の歳月が流れたことになる。 オウムは地下鉄サリン事件の前から教団施設の建設予定地で反対運動が起きたりするなど、…

ヴィンチ村のレオナルドさんに負けない方法

この記事のタイトルに対する答えは、布施英利さんの『君はレオナルド・ダ・ヴィンチをしっているか』という本の中にある。ちなみに「英利」と書いて「ひでとし」ではなく「ひでと」と読みます*1。 君はレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか (ちくまプリマ…

頼むから裸はやめてと言ったから明治維新は着衣記念日

『刺青とヌードの美術史 江戸から近代へ』を読みました。これは個人的に大ヒットでした。面白い。 刺青とヌードの美術史—江戸から近代へ (NHKブックス)posted with AZlink at 2011.1.24宮下 規久朗日本放送出版協会売り上げランキング: 233633Amazon.co.jp …

住宅の南向き信仰の起源

日本では住宅に求める条件として「南向き」が重要視され、それは住宅価格にも反映されています。では、この日本人の「南面信仰」はいつぐらいから始まったのでしょうか。 前回のエントリーでも紹介した、『「間取り」で楽しむ住宅読本』にその話題が出ていま…

ある有名建築家の挫折(デハナイ)

光文社新書の『「間取り」で楽しむ住宅読本』を読みました(以下では『間取り読本』と略記)。「間取り」で楽しむ住宅読本 (光文社新書)内田 青蔵光文社売り上げランキング : 272572Amazonで詳しく見る by AZlink 近代化に伴う日本の住宅の変容過程が簡潔に…

グローバリゼーションはラクダとともに

『グローバリゼーション 人類5万年のドラマ』を読みました。アフリカで出現した現生人類ーホモ・サピエンスーのごく一握りの人びとがアフリカの地を後にして、徐々に世界中に広がり、そして「再結合」していく(原書のタイトルは『Bound together』)様を描…

日食系男子必読の一冊『星空の不思議136のQ&A』

「草食系男子」というフレーズに胸やけ気味*1の昨今、「ポスト草食系男子はなにか?」という問いが世界中を賑わしています*2。みなさんご存知のように、草食系からの揺り戻しで「肉食系男子が来る」というのが大方の予想なわけですが、この予想は裏切られる…

『デザインの輪郭』を読んで元気になるライフハック

工業デザイナーの深澤直人さんが書かれた『デザインの輪郭』という本が大好きです。デザインについて語られた本ですが、表紙に「デザインはすべての生き方に通ずる」とあるように、わたしのようにデザインを専門にしていない人間でもドキドキしながら読めま…

『空手坊や』は二度ベルを鳴らす

突然ですが、映画『ベストキッド』の原題が「Karate Kid』だということはご存知だったでしょうか。日本でこれを直訳して『空手坊や』としたとすると興行的にはコケそうな気がするので、『ベストキッド』というのは上手な「意訳」だと思います(わたしは『空…

あとがき文学賞

古山高麗雄さんの『二十三の戦争短編集』を読み直した。 二十三の戦争短編集 (文春文庫)posted with AZlink at 2010.12.24古山 高麗雄文藝春秋売り上げランキング: 321995Amazon.co.jp で詳細を見る この本を買ったのは数年前のことでしたが、購入の決め手に…

宗教・ラブホ・法人税

『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』という新書を読みました。 法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる (光文社新書)posted with AZlink at 2010.12.20奥村佳史光文社売り上げランキング: 94502Amazon.co.jp で詳細を見る いきなりで恐…

人生を変える一冊 『たのもしき日本語』

人は誰しも「人生を変えた一冊」というのを持っているものだ。石原良純さんにとってのタウンページのようなものだ。私にとっての「人生を変えた一冊」は、間違いなく『たのもしき日本語』だ、と言っても過言ではない。ただ、そうは言ってもそれはちょっと言…

『ナチス狩り』(ハワード・ブラム)

本書の「読者への覚書」には次のように記されている これは実話である。 ユダヤ旅団−第二次世界大戦の最後の数ヶ月間にヨーロッパで戦うべく、イギリスによってパレスチナから派遣された五千人の軍隊−の活動を記している。 この軍隊に志願して任務を果たした…

私と公の狭間で悶える本 『ポスト消費社会のゆくえ』

前回に続き、『ポスト消費社会のゆくえ』について印象に残った点をメモしておきます。 まずは、「流通小売業」という業界についての辻井さんの認識について。1990年代以降の「セゾンの失敗」について議論の中で、グローバリゼーションによって市場が激化…

自分で自分につっこみ自分で謝る辻井喬を味わう本 『ポスト消費社会のゆくえ』

セゾングループを率いた辻井喬(=堤清二)さんと上野千鶴子さんの対談をまとめた『ポスト消費社会のゆくえ』(文春文庫)が面白かった。ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)posted with AZlink at 2010.12.9辻井 喬,上野 千鶴子文藝春秋売り上げランキング: …